NEWSEX4Energyの最新情報をお知らせします。
分散型エネルギーの接続問題の解決からカーボンニュートラルを目指すEX4Energy株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 伊藤剛 以下「EX4Energy」)は、産業用自家消費型太陽光発電システムで最大手の一社である株式会社オルテナジー(本社:東京都立川市 代表取締役社長 髙橋眞剛 以下「オルテナジー」)に対して、Public Power HUBを活用した相互接続サービス(powerhubコネクトサービス)の提供を開始しました。同社は、同サービスの第1号ユーザーとなります。
カーボンニュートラルの実現に向けて、大型火力発電所や揚水発電所など大規模設備を中心とした従来の電力システムの半分が、太陽光発電や需要家設置型蓄電池など分散型エネルギーを中心とした電力システムに置き換わると想定されています。
分散型電力システムの下、分散型エネルギーを活用したサービス事業者が登場し、家庭分野や法人分野で様々なエネルギーサービスを創出することが期待されます。一方、これらサービス事業者は、多数の分散型エネルギーを統合管理するために自社システムとエネルギー機器と接続する必要がありますが、メーカーごとに機器の接続仕様が異なる等、“接続問題”を抱えています。
EX4Energyは東京大学 生産技術研究所 野城智也教授・馬場博幸特任准教授の研究成果を活用し、この“接続問題”を解決する情報通信基盤であるPublic Power HUBを構築しました。当社は、サービス事業者に対して、各社の制御システムと個々のエネルギー機器を繋ぐ相互接続サービスを電気通信事業者として提供します。
EX4Energyは、接続領域に特化した専業事業者であり、また、電気通信事業者として通信の秘密の義務を負っているため、サービス事業者の競争優位の源泉となるデータの閲覧・蓄積を行いません。そのため、サービス事業者は、競争領域を自社に留保したまま、負担の大きな接続業務のみを外部化することが可能になります。
2010年に創業し、「屋根に穴をあけない」太陽光発電システムとして「シンプル・レイ」工法を確立、家庭向けの太陽光発電システムの事業を拡大しました。その後、産業用自家消費型太陽光発電システム事業へシフトしました。2017年にはPPA事業を開発し導入に向けた活動を積極的に拡大し、現在は300社を超える取引実績を誇ります。また、産業用蓄電池システムも手掛けており、蓄電池の制御システムの設計・開発・販売を行うなど、次世代のエネルギーマーケットの開拓を目指すパイオニア企業です。
【オルテナジーの現状と課題】
オルテナジーは、これまで太陽光発電の監視システムや蓄電池の制御システムを自社内にてエンド・ツー・エンドで機動的に開発し、一定の成果を収めてきました。しかし、さらなる事業規模の拡大や取扱製品のラインナップ拡充を実現するためには、既存の開発体制で対応しきれなくなりつつありました。具体的には、新製品を取り込む際の拡張性、お客さまサイトに設置した端末の保守業務等の効率性、事業規模拡大に伴うシステムの保守性などに課題を抱えていました。
【powerhubコネクトサービスの活用による課題解決への期待】
上記のような背景のもと、オルテナジーは、課題であるノンコア業務の負荷軽減を実現するため、EX4Energyが提供するPublic Power HUBを活用した相互接続サービス(powerhubコネクトサービス)を利用することとしました。同サービスを利用することにより、具体的には、ドライバ方式によるデバイス接続により新機種接続の負担軽減、ローカル端末を含んだ接続基盤の監視業務の外部化、デバイスとの接続インタフェースを簡素化することによる自社システムの保守性・拡張性の向上を期待しています。この結果として、少数精鋭のエンジニアチームを、最適制御アルゴリズムの開発など、差別化領域に集中することができるようになることを期待しています。
現在、オルテナジーが産業用太陽光発電システムのPPAサービスを提供している食品工場にて、同工場内に設置されている産業用太陽光発電システムや電力量計、産業用蓄電池システムをPublic Power HUBを活用し、データ収集等を開始しています。また、産業用蓄電池システムの遠隔制御についても検証作業を進めています。今後、産業用自家消費型太陽光発電に留まらず、家庭分野や地上設置の発電所分野において同社が手掛ける新事業においても、PPHの活用可能性を検討していく予定です。
エネルギー領域のオピニオンリーダーとIoTに関する情報通信技術のエキスパートが立ち上げたエネルギーテック企業。
分散型エネルギーの接続問題を解決することによって、新たなエネルギー産業の創出に必要な社会基盤を構築し、安定かつ持続的なエネルギー需給構造と既存産業の垣根を超えたイノベーション創出を目指します。